炭都物語
新刊お知らせ
発売中!
1月10日に発売を開始しましたが、大量部数の発行ではありませんので、全国の書店さんに一斉配本するという、一般的な新刊配本ではなく、福岡市内を中心とした、以下のごく一部の書店さんに拠点配本しております。
・紀伊國屋博多店 ・麒麟書店大牟田店(三池炭鉱の地元・・・こちらへの配本は、今週末くらいになりそうです。)
・ブックセンタークエスト小倉店(1/25頃から)
上記以外の、全国どこの書店さんからもご注文できますので、少しお手間と時間がかかりますが、ぜひともご注文ください。弊社への直接のご注文も承っております。よろしくお願いいたします。
宮本一平著『炭都物語―イヌとハトと三池炭鉱』を、新年1月10日に発売いたします。そう遠くない時期に閉鎖をするとお知らせをしていながら新刊を出すとは、一貫していないように思われるかもしれませんが、思いがけなくも、先行きそう長くはない弊社での出版を望まれる著者が現れました。ありがたくも申し訳なく思いながら、出版させていただきました。
本作には、高度経済成長を迎える頃から凋落へと至る時期の、60年に渡る三池炭鉱での暮らしが、実に豊かに生き生きと描かれています。弊社はこれまで、山本作兵衛
さんの作品を中心に炭坑(戦前は「坑」)関係の書籍を数多く出版して参りましたが、宮本一平氏の本作は戦後の炭鉱が舞台であり、しかも高度経済成長期へと向かう、戦後の日本で最も活力に満ちていた時期を中心にした三池炭鉱とその周辺を舞台にしておりますので、従来の炭坑関連本とは一世代、二世代新しく、その意味でも非常に新鮮です。
本書の内容を簡潔に記した文章を表紙裏から引用します。
炭鉱といえば、その過酷な環境ゆえに暗いイメージがつきまといがちですが、ここに描かれた炭鉱での暮らしは、驚くほど豊かです。その豊かさは炭鉱夫の賃金が、一般労働者の平均賃金よりも高級であったことに裏打ちされたものではありますが、かつての庶民の、日々の暮らしの豊かさを体現していたとの発見に遭遇いたします。
さらには、かつての有明海の豊穣さにも、驚きをもって出会えます。
なお著者の宮本氏には申し訳ございませんが、そう遠くない時期に閉鎖するという弊社の方針には変わりはございません。それまで、本書を1冊でも多く読んでいただけますよう努力させていただきます。よろしくお願いいたします。