山上裁判・大和西大寺駅がなぜ2回連続で演説会場になったのか

山上裁判・大和西大寺駅がなぜ2回連続で演説会場になったのか

山上裁判ー大和西大寺駅がなぜ2回連続で演説会場になったのか・アイキャッチ画像大晦日、年末の怪談話をお届けいたします。多くの方の目に触れるのは新年に入ってからだろうと思いますので、新年には余りふさわしくない禍々しいお話かとは思いますが、山上裁判に触れないまま年を越す気にはなりませず、バタバタとする中で、何とか年内に発信することができました。この裁判は、統一教会問題だけではない日本が抱える深い闇を浮上させる契機になるはずです。(画像はAERAより)

1.大和西大寺駅がなぜ連続で演説会場に選ばれたのか

山上徹也被告の裁判が終わりました。この裁判については、オンナ総理と台湾有事発言の深層「5.山上徹也裁判と再審法」でも触れていますが、裁判そのものには多々疑問を感じておりますので、本号では「山上裁判」を主テーマとして、それらの疑問の深層に迫りたいと思います。

まず最初に取り上げる大疑問は、安倍元総理は。なぜ2回も連続で大和西大寺駅前で応援演説したのかということです。大和西大寺駅前は襲撃事件現場ですが、犯人である山上徹也被告の自宅のある最寄り駅でもあるわけです。

襲撃現場となった大和西大寺駅北口は、以下の記事にありますように、「360度ガラ空き」つまり、360度どこからでも演説者に近づくことが可能な場所であり、通常の演説場所としてはありえないほど、セキュリティ度ゼロの全く無防備きわまりない場所であったという。安倍元総理の襲撃を企てている者にとっては、これ以上ない舞台が用意されたということになります。

「ここしかなかった」急遽決まった“360度ガラ空き”会場 …
テレ朝NEWS  2022/08/09

なぜ「360度ガラ空き」状態なのかは、上記記事に詳しく解説されていますのでご覧いただきたいですが、西大寺北口は道路工事中で演説会場として使えるようなスペースがなく、道路や通路にガードレールなどを配置してそのスペースを作る必要があり、選挙カーなどの車を止める余裕もない特異な場所であったという。

一方、10日前、6月28日の1回目の応援演説は大和西大寺駅南口に設営された会場で行われたという。

「南口では、安倍元総理の背後には選挙カーが置かれ、聴衆は駅前の歩道上に固まっている。」参加した男性は「南もガラ空きではあるものの、完全なロータリーなので、人が入ってきたらすぐに動きがわかる違いはある」と話す。

す。(「ここしかなかった」急遽決まった“360度ガラ空き”会場 …)

つまり南口は、簡単には安倍元総理には近づけない場所だったということです。

一方、北口は360度聴衆に囲まれていますので完璧な警護は難しいとはいえ、「やはり死角になりやすい後ろ側を守ること。SP、奈良県警、選挙スタッフもしっかりすべきだったと責任も含めて感じています」と、上記記事で当時の陣営関係者は語っていますが、「場所も選挙の常識では、同じ大和西大寺駅ではなく、近鉄奈良駅などのまだやってない場所でやるべきところだった」と話しているという。

上記記事によると、1回目の会場となった大和西大寺駅南口は、南側は壁になるようなものがなかったが、ロータリーになっているので人の動きは即キャッチできる環境だったという。

また、上記記事のTV朝日が調査したところ、以下のように、安倍元総理が応援演説をした会場では、事件現場となった西大寺北口のような「360度ガラ空き」の無防備な会場は他にはなかったという。

「今回の参議院選で安倍元総理が応援演説を行った他の複数の場所について、ANNが取材した映像などで確認すると、背後には選挙カーか壁が置かれているか、選挙カーの上に乗る形で行われていた。容易に接近が可能な360度開けた演説会場は、事件現場以外に見当たらなかった。」(「ここしかなかった」急遽決まった“360度ガラ空き”会場 ..)

また、記事を保存するのを忘れましたので発信元が不明ですが、当時は与党の公明や党野党の維新の会や共産党なども同場所の下見をしたそうですが、どの党ともセキュリティ上問題があるとして、西大寺北口は応援演説会場にはしなかったという。

ただし共産党は確かここで演説をしたと書かれていたように記憶していますが、ガードレールを動かして後ろに選挙カーを配置して、弁士の確か市田書記局長の背後には人を立ててガードしたと書かれていた記憶があります。北口はすぐそばに近鉄百貨店があり人通りが多いという場所なので選ばれたのでしょうが、共産党の例からも、安倍元総理のような「360度ガラ空き」の無防備なまま演説を実施することがどれほど異常なことなのかが分かります。

そこであらためて問わずにはいられません。なぜ、2度も続けて大和西大寺駅前が安倍元総理の応援演説会場に選ばれたのか。しかも2回目の北口は「360度ガラ空き」にならざるをえない、セキュリティ度ゼロの場所がなぜ選ばれたのか。他に例のない異常な場所が選択されたということは、誰も否定できないほど明白です。

のみならずさらに不可解な事実が加わります。

安倍元総理は、8日は長野県で応援演説する予定だったそうですが、前日7日の午後、急に大和西大寺駅前に変更されたという。「自民党優勢と言われているのに、なぜ2度も奈良に来るのか、疑問の声も」出ていたそうですし、前例のない、直前になっての変更は地元からの要望ではなく、自民党本部の判断であることは明白です。

しかも同じ奈良でももっと大きな近鉄奈良駅前ではなく、10日前と同じローカルな大和西大寺駅前がなぜ選ばれたのか。

実は7日は、岡山市で応援演説をする安倍元総理を狙って山上被告は岡山市の演説会場に行ったものの、警備が厳しくて襲撃できぬまま帰路に着いています。帰宅途中、山上被告はネットで明日(8日)安倍氏が自宅に近い大和西大寺駅に来ることを知って、「偶然を超えたもののように感じ」たという。

山上被告、勇み足「犯行声明」 投函後回収に動くもかなわず…追い詰められたか 銃撃裁判 2025/10/29 産経新聞)

山上被告は裁判で、安倍元総理襲撃に運命的なものを感じたという趣旨のことを述べていましたが、以上のような、通常ではありえない(人為的にセッティングされたのかと疑われるほどの)「偶然」に物理的に遭遇させられたならば、山上被告ならずとも、おそらく誰もが感じざるをえない感慨だと思います。

山上被告には安倍氏を長野まで追いかける経済的余裕はなく、目的を果たせぬまま岡山から自宅に帰らざるをえなかったと思われますが、そこで偶然というには余りにも不自然な導きを目にしたわけです。しかも北口は10日前の南口とは違って「360度ガラ空き」状態。山上被告は、強力すぎる導きを得て銃を手にしました。

会場は「360度ガラ空き」でどこからでも安倍元総理に近づくことができる環境にあったとはいえ、山上被告は、周りの人を巻き添えにすることも厭わずに闇雲に安倍元総理を狙ったわけではないことは、以下の供述からも分かります。

「捜査関係者によると、山上容疑者は取り調べに対し、「安倍元総理の隣の人に弾が当たらない距離に近づいた」などと供述しているという。」

安倍元総理に何人ものボディーガードが貼りついていたならば、「360度ガラ空き」の会場でも、山上被告は、発砲できぬまま諦めた可能性は非常に高かったと思います。しかしここでも偶然なのか、山上被告の銃と安倍元総理を遮るものが何一つないという、最後の導きが山上被告を発砲へと促しました。

度重なる偶然を可能にしたのは、通常ではありえぬ大和西大寺北口が会場に選ばれたからですが、この会場選定は余りにも不可解です。

しかしこの会場選定について注視している記事は、先にご紹介した朝日TVニュース以外には見当たりません。検索で見つけても、本文は削除済みという例は二つありました。おそらく、意図的に削除されたものと思います。誰が主導しているのか、余りにも不可解すぎる会場選定に関する情報を、削除する動きが出ているようです。この事実を隠したいという勢力が存在するわけですが、それだけに、上記朝日TVニュースの記事は非常に貴重です。

上記の朝日TVニュースは、記事を以下の一文で締めくくっています。

「安全性の観点から会場が選ばれず、たやすく接近可能な状況であったことが、山上容疑者の犯行を手助けした可能性は極めて高いと言えよう。」

という指摘は、自民党の関係者のみならず、奈良県警、奈良検察にも向けられたもののはずですが、検察は、会場選定や警備の杜撰さが、山上被告の犯行を誘発したことを心底反省した上で、山上裁判を始めるべきだったのではないか。検察は、山上被告の犯行を誘発した奈良県警の杜撰な警備の責任も問うべきだったはず。

会場の選定や警備の問題については、奈良県警の記者会見では記者がかなり厳しく追及しています。しかし奈良県警は事実上ノーコメント。以下の記事では記者会見でのやり取りを文字起こしてしてくれています。一部抜粋しました。

安倍元総理が被弾した2つの銃弾(1.肩の射入口・盲管銃創・紛失致命弾。2.首の射入口・盲管銃創・残存弾)
森海人 2023年3月25日 16:33

【7月8日午後9時半から行われた『奈良県警の記者会見』で話された内容】

奈良市大宮町に居住する無職・山上徹也41歳男性であります。

Q 奈良県警が安倍元総理の来県を知ったのはいつ?
A 昨日です。夕刻と聞いています。

Q 問題があったことについては認めるわけですよね?
A 全容解明に向けて捜査してまいります。

Q 改めるべき点はあるんじゃないですか。
A まず捜査を全力で行います。

Q 事件の兆候、不審な人物の把握は?
A 把握していません
Q 後ろから近づく映像もありますが、どこで気づいた?
A 発砲音ですね。それで気づいております。

Q それまで近づく人がいることに気がつく警察官はいなかった?
A それについては…詳細については調査中でございますけれども、一発目の発砲音で気づいた。

Q 一発目の発砲までは構えているところも、誰も気づいてない?
A どの時点で気付いたかについては現在調査しておりますけれども、確実なところはですね、一発目の発砲音。

Q 発砲後に気づいた遅さですね。このところはどう認識された?やむを得ないのか?
A 現場の警察官の配置状況も含めて、これから捜査で明らかにしてもらいたい。

Q 一般的には背後から人が来てですね、発砲するまで気づかないっていうこと自体は一般的にはどう受け止められる?
A 今回も問題があったかにつきましては、しっかり確認を進めていきまして、確認された問題につきましては適切に対策を講じていきたいと考えております。

Q 今回は手製の中だったということで気が付きにくかったという可能性はある?カメラに見えたというような現場の声も聞いています?
A それについては現在まだ確認中。

Q 現場を見てみますとすごく特殊な位置です 演説の場所に関して警備から指導が事前にあったのか?候補者側が独自に設定した場所なのか?
A 答えを差し控えます。

この記者会見でのやり取りからも、安倍元総理襲撃事件は、場所の選定が重要な意味を持っていることが伝わってくると思います。したがって本事件の解明には、なぜ前日の午後になって急に長野行が中止になり、2度目の奈良行きが決定されたのか。

のみならず、大和西大寺駅北口を演説会場にすることが奈良県警に伝えられたのは、前日7日の午後7時過ぎであったことが奈良県警の記者会見で明らかになっています。演説は翌日の午前中。十分な警備体制を準備する時間がないおそれれさえある時間です。

事件を誘発する結果になった、直前になっての急な予定変更と場所選定に関わった自民党本部並びに自民党奈良県支部と、要人警護の任務を負っている奈良県警の警備不備に対する責任についてまず明らかにすべきだと思います。山上被告の罪を問うのはその後のことではないかと思います。

参照:令和4年7月8日に奈良市内において実施された安倍晋三元内閣総理大臣に係る警護についての検証及び警護の見直しに関する報告書

なお、MBSも警察の記者会見を文字にして残しています。
【記者会見の全容】安倍元総理が銃撃され死亡 奈良県警の逮捕会見 警備体制は?「特定の団体に恨みがあった」「手製の銃とみられるものを押収」
22/07/09 22:28 MBS NEWS

わたしのブログ「彼を凶行に追いやったもの」でも、事件直後に取り上げていますが、ブログでリンクを貼ってご紹介した、事件の様子を報じたメディアの中には、記事が削除されている例がいくつかあります。そのまま記事を公開しているメディアもありますので、何か圧力があったからというよりも忖度した結果だろうと思います。

という事例が出るほどに、この事件の闇は深いということです。

2.安倍元総理の死因をめぐって

次の大疑問は、銃撃されて死亡した安倍元総理の死因をめぐる問題です。

銃撃後、安倍氏は救急車で奈良県立医科大学病院に搬送されましたが、蘇生に当たられた福島英賢教授が8日開いた記者会見でのやり取りが、以下のように文字起こしされています。一部を引用しました。

なお、上記記事には記者会見の文字化記事だけではなく、自民党参議院議員の青山繁晴氏が、自民党としてもこの事件の実態解明に取り組む活動を続けておられるとのことで、その報告も資料として後半に掲載されています。太字は引用元による。

安倍元総理が被弾した2つの銃弾(1.肩の射入口・盲管銃創・紛失致命弾。2.首の射入口・盲管銃創・残存弾)
森海人 2023年3月25日 16:33

2022年7月8日 奈良県立医科大学付属病院 福島英賢教授(蘇生処置を担当)記者会見

6:42
頸部に2か所の銃創があり、心臓および大血管の損傷による心肺停止と考えられる

9:09
(致命傷を与えた)弾は盲管銃創(銃弾が身体を貫通せず、体内にとどまっている傷)
体内に(致命傷を与えた)弾は残っていない

9:31
深さは心臓にまで到達する深さと理解いただきたいと思う。

13:20
手術している時に弾丸の方は確認できませんでした。
14:17
(弾丸が)胸部の心臓の大血管にたどり着いた為に、心臓の大血管が損傷されたために出血をされた

15:15
(記者:体に2か所銃創があり、心臓と胸部の大血管に損傷があったという言い方で間違いないか?)
その通りです。

17:06
心臓の傷自体は、大きいものがありました。
17:16
たぶん弾丸による心損傷、大きな穴ですね。心臓の壁に空いた大きな穴です。
17:36
銃創とは、基本的には入り口よりも大きな傷を作るもんだと理解している。
18:17
1つだけ左の肩に別の傷があったので、そこが恐らく射出口だったんじゃないかと考えています。
19:44
(首の傷は)基本的には2つあって、その距離は5センチ位ですかね。

26:37
(傷があったのは)心臓の心室ですね。心臓の壁です。

32:20
(頸部の傷は)高さでいえば鎖骨より上です。
鎖国(*骨の間違いでは?)には(損傷は)無かったと思います。

治療に当たられた福島教授は、心臓が受けた損傷(心臓の心室=心臓の壁)によって心肺停止に至ったと繰り返し明言されています。

しかし司法解剖の結果の警察発表は以下の通り。

致命傷になったのは左上腕から入った銃弾1発で、左右の鎖骨下にある動脈を傷つけたという。死因は失血死だった。

安倍氏の左上腕と首に銃弾が1発ずつ入った痕が確認されたこのほか首に別の傷があったが、銃弾によるものかはわからないという。」

この両者の齟齬については様々な疑惑を呼んでいますが、政治家では唯一青山繫晴氏がこの謎を追及しています。出典は安倍元総理が被弾した2つの銃弾(1.肩の射入口・盲管銃創・紛失致命弾。2.首の射入口・盲管銃創・残存弾)の後半に掲載されています。

以下の7月20日の調査会では、警察庁からは、以下のような驚くべき見解が示されています。同趣旨の発言は繰り返しなされていますので、両者の違いは警察庁としても認めざるをえないということなのだろうと思われます。

青山繁晴チャンネル 7月21日(収録日)
「消えた銃弾 安倍元総理暗殺」青山繁晴 参議院議員(護る会代表)
自民党 治安・テロ対策調査会(7月20日) 

16:20
警察庁警備局長:お医者様が心臓が損傷したと会見なさったことは承知しております
従って、自分たちの実際調べたこと(司法解剖)と一致しないというのは事実です。

8月4日「暗殺の真実を追い続ける」青山繫晴

これ(銃弾)は、盲管銃創(体内に弾が留まる)。

(警察は、救命措置中の大量出血する中で銃弾が失われたと確信を持っている。現場と医療廃棄物も克明に探したが弾は出てこない)

最初に治療にあたられた福島教授と司法解剖の結果に警察も認める明白な齟齬がありますが、最初に治療にあたられた福島教授が繰り返し心臓が損傷を受けていた、心臓に穴が空いていたという診断が事実と異なっていることなど100%ありえないはず。病院に到着した時点で安倍元総理の蘇生は不可能な状況であったので、福島教授は止血措置をなさったことも会見で語っておられましたし、上記引用にも止血をなさったことが記されています。

止血、つまり出血場所をふさぐ処置をしている中で心臓の心室に穴が空いていることを確認したという教授の報告が事実に反していることは、100%ありえないっことは再度強調しておきます。

では両者の齟齬は、警察の側(司法解剖)が事実に反することを発表したことによって生じたものだと見なすべきです。

なお、安倍元総理の臨終の時間は8日の午後5時過ぎとなっていますが、明恵夫人の到着を待って、治療を終了する了解を得た後に安倍氏の臨終を確認したことになっていますので、銃撃を受けて即死したという事実には合わない時間になっていますが、以上のような事情によるものです。

銃撃直後の安倍氏の様子

という事情もありましたので、ここであらためて、銃撃直後の安倍元総理の様子を振り返りたいと思います。

銃撃直後、事件現場の近くにあるクリニックの医師が駆けつけて治療に当たった様子を報じた記事を紹介しながら、「彼を凶行に追いやったもの」とは別のブログを書いた記憶があるのですが、どこにも見当たりません。勘違いの可能性もありますが、この医師の様子を書いた内容は記憶にありますので多分書いたと思いますが、消えていますので、あらためて書くことにしました。

当時見た記事ではない記事ですが、事故直後の医師の談話記事を発見しました。
「奇跡が起こってくれ、という一心でその場に」 安倍元首相の中岡伸悟院長銃撃現場に駆けつけた医師が語った全て
2022/07/09/ 20:42 AERA

他にもいくつも関連記事がありましたので、それらも含めた記事を基に銃撃直後の安倍氏の様子をまとめてみますと以下のようになります。

銃撃発生時刻は8日の午前11時半頃。救急車は事件発生から10分後に現場に到着。この間、近くのクリニックの中岡伸悟院長が安倍氏の治療に当たっていたわけですが、医師が駆けつけた時にはすでに、看護婦らしき女性が心臓マッサージをしていたという。

医師は安倍氏を一目見るなりかなり厳しい状況にあると判断したという。AEDもすでに使われたものの、作動せず。医師はAEDが不調かと思い、クリニックからAEDを取り寄せ、AEDを装着したものの作動せず。この結果で医師は安倍氏の心臓が動いていない、心肺停止状態であることを確認したという。

 つまり安倍氏は、銃撃により即死したことは明白な状況であったということです。警察の司法解剖の結果発表のように、鎖国したの血管損傷で即死するのでしょうか。出血多量で短時間で死亡するであるにしても、銃撃後すぐのAEDにも全く反応しないほどの即死状態になるのかは、素人ですが疑問を感じざるをえません。

司法解剖の結果では、心臓に穴は開いていない、心臓は損傷していないとのことでした。しかし、心臓が直接損傷すれば即心臓は止まるでしょうが、鎖骨下の欠陥損傷だけで、心臓が即止まるということはあるのでしょうか。

これは素人ゆえの疑問なのか。警察や検察とは関係のない専門家の見解を聞いてみたい。

「世界日報」と山上裁判

と、謎は残されたままですが、司法解剖の結果発表をそのまま文字化した記事はないかと探していたところ、驚くべき記事を見つけました。以下の記事です。

【連載】安倍元首相 暗殺の闇 第1部 残された謎(1) 救命医と警察 背反する所見
2022年10月12日 10時59分 世界日報

【連載】安倍元首相 暗殺の闇 第1部 残された謎(2) 威力ある銃 1人で製造?
2022年10月13日 11時08分 世界日報

【連載】安倍元首相 暗殺の闇 第1部 残された謎(3) 凶行誘った誤情報・反アベ宣伝
2022年10月13日 11時08分 世界日報

「世界日報」といえば、統一教会系の雑誌として有名ですが、その「世界日報」がこの犯行には、山上被告以外にも彼に協力した人物がいたのではないかとの記事を公開。もう驚きしかありません。

実はわたしは、山上被告を犯行へと誘った黒幕は統一教会ではないかと疑っていました。なぜ統一教会が、強力な支持者である安倍元総理の暗殺を企てるのか、ありえないと批判されそうですが、安倍家三代で続く長くて深い両者の関係ではあったものの、近年に至って両者の間には何か致命的齟齬が生じていたのではないかと推測していました。

その齟齬とは、皇室をめぐる問題です。安倍氏の皇室に対する尊崇の念は本物だと思います。保守派を自認する政治家の中には、表向きは皇室を敬うような姿勢をみせながらも、本音のところでは、皇室を単なる政治の駒、政治の道具としか考えないような不埒極まりない政治家もいますが、安倍氏の皇室尊崇の念は本心からのものであったと思います。

保守派の強力な支援者である統一教会も日本の皇室の存続を支持していますが、あくまでも政治的に利用価値があるからです。この点では安倍元総理とは根本的な違いがあります。皇室をめぐっては、その存続をめぐっては、国会でも論議を進めるべきだとの声が日々強まるほどに事態が切迫していますので、以前には顕在化していなかった両者の違いが強まってきたのではないか。

安倍氏は保守派に対する影響力が非常に大きいので、もしも安倍氏が統一教会とは異なった方針を示したならば、安倍氏の方針が自民党の方針、ひいては日本政府の方針になりかねません。そこで、安倍氏を亡き者にしようとして、山上被告を使って非常に手の込んだシナリオを作って殺害へと至らしめたのではないか。

ただし、皇室をめぐる両者の違いは、具体的にはどんな問題であったのかは即答することは避けますが、三代にわたって強い絆で繋がれてきた安倍家・安倍元総理と統一教会との間に齟齬が生まれるほどの問題とは、皇室をめぐる問題以外にはないはずだとの判断からの推測です。

以上が、わたしが読み解いた山上事件の真相でした。しかし上記の「世界日報」の連載記事に出くわして、わたしのこの事件読解は間違いだったのかとの衝撃を受けています。

安倍元総理殺害事件は余りにも不可解すぎるゆえ、わたしが推測したように、統一教会が黒幕かとの疑惑が出てきても不思議はない状況ですので、統一教会はそれを見越して、事件を詳細に報じながら、世間に流布している陰謀論めいた事件解釈を積極的に発信することで、陰謀論の主役である狙撃手ないしは協力者は、統一教会とは全く無関係であることを逆にアピールしている可能性もゼロではないと思います。

ただし、「世界日報」の連載記事では、マスコミやSNSの偏向記事などが山上被告の判断を誤誘導したことを指摘した、最後の「3」が同誌の主張の核心ではないかとも思われますので、これらの連載記事だけでは判断は難しいというのが正直なところです。

しかし統一教会に対しては、山上被告が事件当日の未明、統一教会奈良支部の建物で試射したことには気がついていなかったのか、疑問を感じています。山上被告の供述を基に、7月12日に奈良県警が現場検証して、6発弾が発射されたことを確認しています。近隣住民からも発砲音を聞いたとの話も報じられています。

旧統一教会施設に穴6つ、一部に金属片も 安倍氏撃った同じ銃使用か
2022年7月12日 朝日新聞

奈良支部の施設には夜は誰も宿泊していなかったのか、無人だったのか。夜間は無人であったとしても、施設に人が出入りすると壁の銃弾痕に気がつくはずですが、どうだったのか。警察には見届け出なかったのは、気がつかなかったからなのか、気がついていたけれど届け出なかったのか。これは大きな疑問です。

もしも奈良支部がこの試射痕に気づいて警察に届け出ていたならば、山上被告は安倍元総理を襲撃する前に逮捕されたはずですので、この疑問は重大な意味を持っていると思われます。

いずれにせよ、山上被告の銃が本当に安倍元総理を死に至らしめたのかは、今なお大きな疑問として残されています。

3.山上家は非常に裕福だった

3つ目の疑問は、山上裁判では重要な意味をもつ、山上被告の家庭事情についての言及が皆無に近かったことです。

これは、統一教会によって家庭が破壊されたことへの怒りが、山上被告の犯行の動機となっていることをほぼ無視するという、検察の方針にも影響されたとも思われますが、この事件は、統一協に対する怒りや恨みという動機抜きには起こりえなかったことは説明不要なほど明白です。

そして統一教会による山上家破壊の破壊度は、山上家が裕福な資産家であったという家庭事情を明らかにしなければその深刻さは分かりません。母親は統一教会に1億円ほど献金したと言われていますが、実際にはその数倍の金を統一教会に貢いでいるはずです。

山上被告の父親は京大工学部卒で大手ゼネコンに勤めていたが、母親と結婚後は母親の父(被告の祖父)が経営していた建設会社に、将来は跡継ぎになる予定で就職したという。母親は大阪市立大学家政学部卒。妹は医者という家系です。

山上徹也容疑者の伯父「教団につけこまれた」 そろいすぎていた母親が狙われる条件
2022/09/21/ 08:00 AERA

京大工学部卒の父親が大手ゼネコンを辞めてまで就職するぐらいですので、祖父の会社もかなり規模の大きな建設会社だったと思われます。祖父の自宅(母親の実家)は100㎡もある大きなお屋敷だったという。

しかし、父親にとっては、地場企業としてはかなりの規模であったとはいえ、娘婿として経営の一角を担っていたこともあって、大手ゼネコンにはない苦労があったらしい。ついにうつ病に。そして自殺へ。

【独自】「法廷で母親に会うのは嫌やろうな」 山上徹也被告の伯父が初公判の前に明かした胸中
2025/10/29/ AERA

山上徹也被告の伯父単独インタビュー 安倍元首相襲撃事件があぶり出した社会の課題
2024/07/09/ 11:00 AERA

母親は夫の死後、父親の会社の取締役に就きますが、やがて統一教会に入信。山上家の破壊が始まりました。

以上のような山上家の家庭環境を踏まえると、父親の6000万円の保険金、祖父の自宅を売ったお金、会社の事務所の売却金など、全財産がすっからかんになるほど統一教会に献金しているわけですので、1億円では済まないはず。その数倍は巻き上げられているはずです。

上記の伯父もインタビューで1億円以上献金しているはずだと語っていますが、1億円の2倍どころか、数倍は献金しているのは間違いないはずです。

また、元信者が母親が1億円以上の献金をしていることをうかがわせる証言をしています。以下の記事によると、元信者は母親が壺や多宝塔などを10以上も購入していたと証言しています。
山上被告が語らなかった安倍元首相襲撃の「答え」元信者が母親の証言に感じた旧統一教会の影響
今西憲之 AERA DIGITAL

加えて、自宅や事務所を売却する際は統一教会関連の不動産屋を介した可能性も高いと思われますので、その場合は相場よりはかなり低く売却したはずので、資産収奪はさらに巨額になっていたはず。

実は、母親は統一教会に献金したことは子どもたちには隠していたそうです。山上被告が偶々調べた市の登記簿を見て祖父の資産の行方が不明であることに気づいて母親を問い詰めたところ、祖父の会社が倒産して潰れたというのはウソで、売ったお金は統一教会に献金したことと献金額は1億円であることを告白したことが、裁判で明らかにされています。

1億円のうち5000万円が返金されたとされていますが、数億円のうちの5000万円です。しかも返金後も母親は献金を続けています。母親本人も窮乏生活をつづけ、娘や息子にカネの無心をする有様でしたので、血の一滴まで搾り取られるような状況に置かれていたと思われます。にもかかわらず、統一教会にすがり続ける母親の惨めさは理解不能。

山上家が非常に裕福であったことが分かれば、信者の資産をとことん巻き上げる統一教会の残忍非道さがより鮮明になりますが、統一教会の残虐さが強調されないように、山上家の家庭環境については全く触れず、動機も問わないという検察の方針が貫かれた異常な裁判となったわけです。

襲撃現場をめぐる様々な疑惑も、安倍元総理の死因をめぐる様々な疑惑も何一つ明らかにされぬまま、奈良地裁における裁判は終わりました。

安倍元総理は、この残虐非道な統一教会を支援し、統一教会からの支援を受けてきたことは日本中周知の事実です。安倍元総理のような大物議員や自民党の大勢の議員の支援を受けてきたがゆえに、統一教会の残忍非道な信者収奪が、今回の襲撃事件まで明るみにでることがなかったという事実を日本中が今一度確認すべきだと思います。政治家の責任はそれほど重いということです。

なお、わたしのブログ「彼を凶行に追いやったもの」では以下のように、安倍氏が韓鶴子総裁にビデオメッセージを送ったのは単に儀礼的なものではなく、安倍氏が統一教会を強く支援、支持していることを表明したものであることを指摘しています。

全国霊感商法対策弁護士連絡会は、安倍元総理が、統一教会の韓鶴子総裁にビデオメッセージを送ったことに対して、公開抗議文を送ったものの、受け取りを拒否されたことも明かされています。

全国霊感商法対策弁護士連絡会が安倍氏に送った公開抗議文 2021/9/17
安倍氏の地元山口県の安倍事務所にも送ったそうですが、こちらは受け取ったものの、返事はないとのこと。

直接安倍氏に送った抗議文が受け取り拒否されたということは、非常に重大な事実ではないかと思います。安倍氏は、連絡会が統一教会被害者の救済活動をしていることは百も承知しており、それゆえに受け取りを拒否したわけですが、安倍氏は、統一教会による被害者の存在や被害からの救済など頭から拒否したということです。

来年1月21日に判決が言い渡されるそうですが、公正な判決を望みます。

4.トランプ大統領のロシア拝跪

トランプ大統領はウクライナのゼレンスキー大統領と会談を行い、和平実現に力を入れていますが、ロシア拝跪の気配は一貫して抜けないまま。

ウクライナ戦争ではロシアが有利だと言われていますが、ロシアはアフリカや逃亡前のアサド時代のシリアなどから囚人を雇い入れて前線にぶち込んできました。あまりにも浅ましく卑劣な手法を駆使。北朝鮮からは訓練を受けた兵士を高額で買い取り前線にぶち込んでいます。

囚人や兵士をウクライナに送り込んだ国々のトップは、自国民をカネで売って自分の懐を肥やしているわけですが、カネを払う方も受け取る方も余りにも浅ましすぎます。こんなロシアの勝利を勝利として認めることができるのですか。ロシア国民も、自分たちは無傷のまま、他国の囚人などを前線にぶち込んで勝利をアピールするプーチン大統領を支持することに恥を感じなのでしょうか。

他国民が血を流してくれるので、自分たちは無傷のまま戦争が有利に進んでいることから、ロシア国民の多くは海外旅行を楽しんでいるらしい。ただし欧州ではロシア人には厳しい視線が向けられるので、日本に観光旅行するロシア人が増えているとのこと。恥を知らないロシア人と、倫理観よりも儲けが大事なこれまた恥知らずな日本人。

また、中国や北朝鮮は武器調達でもロシアを支援しています。イランも支援しているはずです。米国はウクライナ支援を止めて、手段を選ばぬ手法でロシアが奪い取ったウクライナの領土をロシアに譲れと迫るトランプ大統領。

武力での領土拡張を禁じたのが戦後秩序の核心的な取り決めではないのですか。ロシアは国連の常任理事国でありながら、この核心的な戦後秩序の取り決めを公然と破壊し続けている唯一の国ですよ。中国は、日本を戦後秩序の破壊者だという頓珍漢な非難をする前に、ロシアを厳しく非難すべきではないですか。

2025年は、国際社会も倫理のタガが外れた1年でした。

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