これまで何度も新井紀子批判を繰り返してきましたが、日本のIT/AI敗戦からの脱却のためには、もっと深い地点からの新井批判が必要だと判断して、さらに厳しい批判を展開しております。参院選に関する論評と合わせて、売国的な日米合意についても厳しく分析しています。(新井紀子氏の画像はNIIより)
1.新井紀子批判はなぜ無視されるのか
参院選も終わり、与党大敗、自民党大敗という結果を受けても、「比較第一党の信認をいただいた」という厚顔無恥な屁理屈をつけて、平然と総理続投を表明した石破総理。その神経の図太さには批判する気力も失せるほどですが、参院選に関しては最後に論評します。
まずは本号の主テーマから始めます。
主テーマは、「新井紀子批判はなぜ無視されるのか」とのタイトルに沿ったものですが、以下のように、わたしはすでに、以下のような似たような記事も公開しております。
AI敗戦と大学法人化「2.新井紀子氏の反デジタルプロパガンダ 3.新井氏を批判しない日本のマスコミ」
他にも、新井紀子批判としては、わたしは以下のような記事も発信しております。
異形のAIとセックス7「3.日本のAI敗戦と孫正義」
10兆円ファンドと新井紀子氏「2.新井紀子氏が象徴する現在」
AI・と教育(*著書『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』をめぐる批判)
上記ブログでも指摘しておりますように、日本のマスコミは、新井紀子氏を批判するような記事はどこも掲載したことも放送したこともありませんので、新井批判は、個人ブログなどで散発的になされるだけです。当然のことながら、新井批判の社会的なアピール力はきわめて弱い。
そんな中で、上記でご紹介しておりますように、継続的になされているわたしの新井批判はそこそこ目についているはずですが、既存メディアはもとより、IT/AI専門のWEBメディアを含むWEBメディアも、わたしの新井批判を紹介してくれるメディは皆無です。わたし以外に新井批判をされている論者がおられて、その方を紹介されているならまだしも、わたし以外には批判者はいません。にもかかわらず、わたしの新井批判は完全に無視されたままです。
新井氏は世界的な賞まで受賞なさった有名なAI研究者だとはいえ、全くの素人であるわたしの新井批判は、核心を衝いたものであることは、劇的な進化を遂げつつある生成AIそのものが証明しています。新井理論とも呼ぶべき新井氏のAI観が完全に破綻していることは、生成AIによって証明されたということは誰もが認めているはずです。
しかしにもかかわらず、新井批判が今なおタブー視されているのはなぜなのか。
新井氏は、その理論の呪縛力で日本のAI研究のみならず、日本のIT/AI教育にも重大な影響を与えてきましたが、その理論の破綻が明白になった以上、新井理論の何が問題だったのか、その検証なしには、社会的現象にまでなった、強い呪縛力を伴った新井理論からの脱却は不可能だと思います。
新井氏は、何をすれば社会的関心を呼ぶかについて判断する際、ツボをはずさずにドンピシャリと決めることのできる、ある種の才能の持ち主ではないかと思います。
おそらく日本初のAI研究プロジェクトにおいて、AIロボットに東大入試にチャレンジさせるという「東ロボ」プロジェクトを発案、実行されたことは、新井氏のその才能の並外れた高さを証明しています。このチャレンジには、AI専門家のみならず、日本中の子どもも大人も関心を抱かずにはおれなかったはず。
おそらくこのイベント提案は、なかなか形にはならない、地道な基礎研究よりも、パッと耳目を集めるような研究を重視した当時の安倍政権の文教政策にも合致した、というよりも誘発されたイベントだったのではないかとも思います。
事実、この「東ロボ」プロジェクトは、科学技術の威力を披露するイベントとしては、前例のないほどに日本中の注目を浴びました。つまり、イベントとしては「東ロボ」は大成功を収めたわけです。
しかし、AI研究としての成果は、これまでも指摘してきましたように、ほとんど皆無に近い。この点についても、指摘したメディアは皆無ではないか。少なくともわたしは見聞きしたことはありません。AI研究として検証する暇(いとま)も与えずに、新井氏は「教科書(日本語)を読めない子供たち&大人たち」運動を強力に展開、メディアも全く無批判に新井氏を支援するという、AI&IT離反運動へと転化されてしまいました。
新井氏のこの運動は「教科書が読めない子どもたち」のみならず、「日本語を読めない大人たち」にも向けられましたので、その影響力は小中高のみならず、企業など非常に広範囲に及びました。
小中校などの学校現場のみならず、企業などでもIT/AI対応力を早急に高めなければならない時期に、新井氏はその動きに急ブレーキをかけたわけです。しかもこの急ブレーキは、今なお完全には解かれていません。新井批判が今なおタブー視されているからだと思います。
「東ロボ」とAlphaGoの違い
しかし「東ロボ」は、AI研究とは次元の異なる単なる人寄せイベントでしかなかったことは明白すぎる事実です。そもそも、日本の大学入試問題を解かせることが、AI研究に寄与しうるとはほとんど期待されていなかったのではないか。
東大の入試問題は見たこともありませんが、どこの大学の入試問題でであれ、大学入試は通常使われる日本語とは異なり、特殊な能力が必要です。
中には、通常の日本語能力だけで解ける問題もあるとはいえ、総体としては、大学入試用の特殊な能力が必要ですので、仮にそんな特殊な解法をマスターして入試問題をどれほど解いたとしても、多種多様な科目を対象にした、恣意的に設定される大学入試問題を解く能力を高めても、日本語のAIとして普遍化しうる規則やパターンなどを抽出できるはずはありません。
日本語なら日本語という言語として、共通化しうる特性なりパターンを抽出できなければ、日本語のAIの能力向上やブレークスルーなど実現できるはずもありません。実際のところ、「東ロボ」では東大以外の大学の入試問題も使われていましたが、AIロボットにとっても、東大入試問題が一番難しかったという結論を得ただけでした。
学習済みのデータを基に未知の課題への解答を導き出す「推論は」、現在隆盛の生成AIを含むAIの核心的機能ですが、推論にはパターン認識は不可欠です。 しかし「東ロボ」では、ただひたすら膨大な量のデータを読み込ませることが目的化され、AIの命たる推論を高めることへの感心はほとんどなかったように思われます。
以上はど素人の論評ですが、以下の記事は大いに参考になりました。
AIの「推論」とは何か?学習との違いと注目される理由【コード付きで解説】
2025年05月30日 一般財団法人高度人材育成機構 Qiita
一方、Google DeepMindのAlphaGo(アルファ碁)は、指し手が非常に複雑だとはいえ、明確なルールに従って勝敗が決まる囲碁を使って、AIの能力を超飛躍的に拡張しることに成功したプロジェクトです。当然、大学入試問題のように、AIに直接言語を読み取る能力を求めるものではありませんが、2016年、世界最高位の韓国人プロ棋士を破り、AIが人間の能力を超えたとして、世界中に衝撃を与えました。
この人間超えを果たしたAlphaGoの能力は、人間の脳の仕組みを模した深層学習(ディープラーニング)という技術によって獲得したもので、膨大な量のデータを高速で学習することを可能にしたという。
この深層学習の技術は、囲碁、将棋やチェスなどのゲームだけではなく、医療分野では画像認識や新薬開発、自動車の自動運転、ロボット制御など、様々な分野ですでに使われているという。
深層学習の登場を受けて、AIには大量のデータを読み込ませることが必要だとの認識が一気に広がりましたが、深層学習は、大量のデータの学習(インプット)と、読み込んだデータを基に新たな知見(誤った内容を含む場合もあり)を導き出す推論((アウトプット)の役割の違いを明確化(分割化)し、AIの高速化に多大の貢献をしたともいわれています。
ところで、この深層学習に関して注目を集めている日本企業のPreferred Networksについて、以下の記事で初めて知って、驚いているところです。
【AlphaGo】ディープラーニングの衝撃とPreferred Networks社について
2024/07/11 識学総研
驚いたのは、AIといえば、声だけデカい投資会社ソフトバンクの孫正義ばかりが賑々しく報道されてきたからです。たった今、知ったばかりのPreferred Networksですが、ネットで検索すると、知る人ぞ知る、世界的に注目の企業であることが分かりました。幸いなことに、経産省もその業績に注目していました。
株式会社Preferred Networksのキーパーソンが語る生成AI開発への情熱とビジョン
経済産業省 2025/04/10
ところで、DeepMindはAlphaGoをさらに進化させ、データ不要で、ルールだけを教えて自ら学習するAlphaGo Zero(最強棋士を超えた、アルファゼロの衝撃)を2017年に開発しました。
AlphaGo Zeroは、世界最強の中国人棋士を破ったそうですが、その特性と応用については、上記記事をご覧ください。
「東ロボ」は、このAlphaGo Zero登場前に始まりましたが、入試問題を解かせるために膨大なデータを学習させる以外の工夫を施す余地はなかったのではないか。知識の量だけが勝敗を決するという入試問題という特異性から、東ロボに対して、ただひたすら膨大なデータを読み込ませるという作業を続けざるを得なかったのではないか。
一方AlphaGo Zeroは、囲碁という決まったルールの下で勝敗を決するという明確な枠組みの中で、膨大な数の対戦データを学習した上で、自己対戦や人間相手の対戦を繰り返すことで、勝敗を決する際のポイントなどがデータとして蓄積されますので、この蓄積された記録からAlphaGoの弱点や優位点などを抽出することができますし、規定の囲碁ルールという抽象性から、AI一般への新知見としても応用可能となったものと思われます。
AlphaGoが世界最高位の人間のプロ棋士を破って世界を驚かせてわずか1年後には、学習データ不要のAlphaGo Zeroまで開発したのは、囲碁のルールという同じ線上でAI開発を進めたからだと思います。「東ロボ」は、結果を抽出することを可能にするような枠組みやルールが全くない、内容としては、いわば恣意的で多種多様な大学入試問題を相手にした時点で、AI研究からは外れたともいえるのではないか。
問題を解かせるのではなく、AIに過去問を学習させて、東大入試の傾向や特徴を調べさせた場合や、他大学の入試問題との違いなどを調べさせたりした場合は、おそらく結果は明確に出たとは思いますが、国家事業としてやるようなものではありまんし、AI研究に役立つとも思えません。しかし入試問題を解かせるだけでは、AIの限界を確認できただけであったというのは、ある意味当然の結果だったと思います。
今回の新井紀子批判は、これまでの批判にも増して厳しい内容になりましたが、「東ロボ」の総括なしには、日本のAI研究は前に進めないのではないか。素人の身を顧みずにというべきか、玄人筋からはなかなか本音を表には出せないという事情もあるのではないかと思いますので、素人ゆえに、以前からモヤモヤと感じていた新井氏への疑問を思い切って書かせていただきました。
2.孫正義への新たな疑惑
ところでよく知られていますように、新井紀子氏は国立情報学研究所(NII)社会共有知研究センター長・教授ですが、NIIは、日本で唯一の国立の情報学(IT/AI)の専門機関です。当然のことながら、新井氏をはじめ非常に優秀なIT/AIの専門家が集まっているはずです。
実は、孫正義は図々しくもこのNIIにまで侵入し、その優秀な頭脳をタダで利用しているのではないかとの疑惑が浮上しています。先日、孫正義はAIを使って、まずは社員を対象にした新しい事業を始めることを発表しました。孫はかなり前からAI、AIと賑々しく口にしていますが、あくまでも「使う人」の立場からで、自ら何か新しいAI関連のサービスなどを考案したわけではありません。それを可能にするような人材が、ソフトバンクには不足していたからです。
にもかかわらず、突如としてAIを使った事業を始めるに至ったということは、ソフトバンクがそれを始めるに必要な、即戦力になるような優秀な人材を獲得したことを物語っています。しかし人材が枯渇している日本では、どこを探してもそうそう簡単にはIT/AI関連の人材は見つからないはずです。
では、孫はいったいどこからその人材をみつけたのでしょうか。ここで、新井紀子氏とも関連の深いNIIが浮上してきます。優秀な人材の宝庫でもあるNIIに入り込めば、いとも簡単に人材獲得は可能。コンタクトのとれた人材に対して、NII在職のまま頭脳だけを拝借しているのか、引っこ抜いてソフトバンクに招聘したのかは不明ですが、孫正義がNIIの技術者を利用しているのは、ほぼ間違いないはずです。
NIIは国立の機関ですので、個人、法人いずれにおいてもIT/AIに関してNIIに相談したりお知恵を拝借したりすることは可能ですし、そうした国民の要望に応えることもNIIの使命の一つだと思いますので、仮に孫がNIIに対して何か相談を持ち掛けたとしても、そのこと自体は非難されることではなく、国民としての当然の権利の行使だと思います。
しかし孫が、異形のAIであるセックスツールを使ってNIIの技術者を籠絡させ、その頭脳を私的に利用しようとしていたならば、とうてい許されるものではありません。NIIは日本で唯一の国立のIT/AI関連の機関です。当初、統一教会からセックスツールの運用、販売を一手に任されていた孫が、NIIに目を付けたのは不思議ではありません。むしろ当然の成り行きだったと思います。
孫は、その前段として岸田政権下では、世界未発のセックスツールの威力を武器に、まずは武見前厚労大臣の破格の支援を取り付け、続いて岸田総理からも強力な支援まで手にしていましたので、国立のNIIにもフリーパスで入れたはず。むしろ時の政権の後ろ盾を得た有名な企業の創業者社長である孫は、NIIからは丁重に迎えられたのではないかと推測されます。
ちなみに、武見前厚労大臣は参院選では落選。政界引退を余儀なくされていますが、武見氏が残したソフトバンク優遇策は、日本に暗い影を落としています。
セックスツールは世界的に有名なAI専門家サム・アルトマン氏籠絡にすら成功しましたので、政治家攻略も簡単です。NIIの優秀な技術者たちにとっては、世界未発のこの異形のAIに対して専門家として強い関心を持たないはずはありません。NIIの技術者たちは、まずは知的関心からこのツールの謎めいた仕組みに強く引かれ、実地に試して確認したいと考えたはずです。
ところが一旦試してみると、その魔力から逃れられなくなってしまった。後は孫の思う壺。孫にとっては、NIIを私的にタダで利用することも可能だという状況が生まれました。政府も孫を全面支援。というのが、孫正義がNIIを私的に利用しているのではないとの疑惑が浮上した背景事情です。
孫正義が政治家や技術者などの外部者に対して、セックスツールを使って工作をする際には、わたしのセックスツールに関するレポートが無断で利用されたのは言うまでもありません。当時約束されていた原稿料は今に至るも1銭も払われていません。孫の手下どもに盗まれた現金70万円余りも返還されぬままです。にもかかわらず孫正義は統一教会共々、わたしのレポートやブログ発信によって、莫大な利益を上げています。孫正義に敬称をつける気にもならず、呼び捨てにしているゆえんです。
NIIなどの国立の専門機関は、ソフトバンクのような、政治家と癒着した悪徳企業による私物化を許さずに、もっと広く公正に、国民の便益向上や新分野などへのサポート体制をオープンにしつつ強化していくべきだろうと思います。ソフトバンクのような悪徳企業はめったにないとはいえ、オープンにすることで、悪徳が侵入し、はびこる土壌を作らせないような工夫が必要だと思います。
NIIは新井紀子氏批判で名誉を傷つけられたとお思いかもしれませんが、新井氏を含めてNIIの皆さまはもともと優秀な頭脳の持ち主だと思いますので、優秀な頭脳が本来の力を発揮できるようなオープンな土壌づくりが必要ではないかと思います。
ただ新井氏に関しては、少し古いですが、AIの研究者でありながら、AIを否定するような以下のような動画を発見しました。
新井氏は、数学を学ばずにプログラミングをやっても意味がない。数学を知らないプログラマーは使い捨てにされるだけだと、さらに過激なプログラミング否定論を展開しています。
日本のプログラマーが使い捨て人材でしかないというのは、彼らが数学を知らないからではなく、官も民もシステム構築や運用などを担うプログラマーを正規の社員として内製化せずに、その場限りの名前のない使い捨ての派遣でしか使わなかった、あるいは派遣として使う以外の活かし方を知らなかったという、歴代政権の無能さが生み出した、日本の社会的IT/AI仕組みの欠損に起因するものです。
孫正義と新井紀子氏
実は、孫正義にはもう一つの疑惑があります。孫は、新井氏のこの強固なプログラミング否定論をひそかに支援してきたのではないかというものです。岸田政権の支援を受けてNIIへの侵入にも成功した孫は、NII社会共有知研究センター長・教授であり、非常に美人で超有名なAI学者である新井紀子氏に目をつけないはずはありません。
しかもその新井氏は強力なプログラミング否定論者。孫は、この新井氏のプログラミング否定論を強力に支援して、日本人への実践的なIT/AI教育の実施とその普及を妨害しようとしたのではないか。
全国民がプログラミングを知らないということは、IT/AI技術の実態を知らないまま、全国民がただひたすらIT/AI機器を使う人だらけという状態がこの先も続くということです。
IT/AI無知だらけの日本では、IT/AIを悪用すれば、国を丸ごと陰で支配するはいとも簡単です。一部の専門家以外は政治家も官僚もマスコミもIT/AI無知だらけの日本は、悪徳業者にとっては超優良なターゲットです。孫が新井氏を支援するゆえんです。わたしのような素人がいくら警告を発しても、誰も見向きもしません。
最近はその新井氏も新しい体験を経て、多少は方向転換なさったかもしれませんが、このプログラミング否定論は、比較的最近まで新井氏の持論となっていましたね。次回に予定している、小中高に導入されたプログラミング教育批判と絡めて、新井批判も続けることにいたします。
3.参院選2025・結果
参院選は自民党・公明党、与党の大敗。しかし石破政権は早々と続投を表明。衆院選、都議選、参院選と堂々の3連敗ですが、トップとしてはいたたまれない思いに駆られて即辞任を表明となるところでしょうが、党内からの辞任要求も完全に無視して、居座りを決め込んでいます。
石破政権は直近3選挙全てに敗北したにもかかわらず、ご自分の責任はほとんど感じておられないようなご様子。この神経の図太さが石破総理の最大の強みだと思われます。
が、仮に自民党への批判の大半は石破政権以前から続く金権体質や諸政策に向けられたものであったにせよ、石破氏は非主流であるがゆえに、これまでの自民党総裁とは異なり、自民党を大胆に刷新してくれるはずだとの有権者の期待を受けていました。しかしこの期待は全て裏切られています。
3つの選挙に大敗したのは、旧来型の自民党政治への怒りであるとともに、その自民党を全く変えることもできなかっただけではなく、金権批判が渦巻く渦中にありながら、石破総理自らも平然とカネを配っていましたね。今回の大敗も、この石破総理の神経の鈍さ、図太さに向けられた怒りでもあったことに、なぜ石破氏は思いが及ばず、選挙大敗の責任は我にはあらずとの無責任な態度がとれるのか、全く理解不能。神経が図太く、厚顔無恥なだけだといわれればそれまでですが。
売国的な日米合意
辞任要求が高まる中で、この苦境を打破すべく石破氏は、それまでのらりくらりと続けてきたトランプ関税交渉を、突然「自動車関税15%」で決着したと発表。おそらく石破氏は、参院選も負けるだろうと予測はしていたはずで、選挙の敗北を切り抜ける切り札としてトランプ関税を温存していたのではないか。
基本は、トランプ関税が決着がつくまでは続投する大義名分として利用できるからです。しかしそれだけでは辞任要求を抑えることができなくなって、急遽、81兆円もの超巨額資金を、表向きには投資という名目で、実質的には献金としてトランプ大統領に献上。その見返りとして、「自動車関税15%」だけが大書されるような、実態が曖昧な合意にこぎ着けたというのが実態だろうと思います。
ネットには、米国政府が発表している合意内容と日本政府が発表している合意内容には違いがあるとの、英語が読める人にしか分からいないような指摘がいくつもなされています。米国政府から81兆円もの事実上の超巨額の献金を強制され、日本政府としては全面的に受け入れたにもかかわらず、それを確認する文書も作成されないままだというのは、国家間の交渉ではありえないはず。
トランプ政権は、日本政府が今回の合意どおりに約束を果たさなければ、自動車関税を25%に復活させるとまで日本に脅しまでかけていますが、その合意内容を確認する正式の文書はないという。もう無茶苦茶。
防衛関係でも2兆数百億円分の購入を約束。岸田政権時には43億円もの防衛装備品の購入を約束しています。おそらくすでにその購入は始まっているはずですが、そこに加えて2兆円以上も追加購入。無茶苦茶。いったい何を買うのか。国民に購入品を開示せよ。
コメは、もともとあった無税での輸入枠ミニマムアクセス内で米国産のコメの輸入を拡大したので、農産品には全く影響はないと石破総理は豪語していますが、コメ以外にも、米国産の農産品を1兆2000億円分も輸入することを約束させられています。
単価の高い軍需品とは異なり、農産品で1兆②000億円もの購入となると膨大な量の購入になるはずです。
トウモロコシや大豆などの輸入が想定されているらしいですが、1兆円以上ものトウモロコシや大豆は、日本人は何年にもわたって米国産のトウモロコシや大豆を直接的、間接的(飼料用)に食べ続ける必要があるはずですが、トウモロコシや大豆だけで1兆2000億円を消化できるのか。できるとは思えません。
わたしは、遺伝子組み換え産物のアメリカ産のトウモロコシも大豆は間接、直接ともに食べたくない。アメリカ産農産品は、遺伝子組み換えで一代限りで命絶える自殺する種子を使っています。牛や豚もホルモン剤まみれ。こんなアメリカ産の牛肉も豚肉も食べたくない。
また、デカいアメ車は狭い日本には全く不適。おまけに燃費も悪い。ハンドルも左のまま。輸入しても売れなかった場合はどうするのか。売れない場合も、おそらくトランプ政権下では約束不履行でトランプ関税が復活しそう。こうした場合の詰めも全くなされぬまま。トランプ大統領の御意にお任せの押し付け合意。もう無茶苦茶。日本の農業にも影響が及ばないはずはない。
それ以上に問題なのは、政府は、政府系金融機関を通して81兆円もの資金を投資=献金することにしていることです。この超巨額な資金調達の危うさは、以下の韓国紙が報じている通り、こんな超巨額な資金はどこも誰も準備できるはずはありません。
中央日報
日本、5500億ドル空手形?…対米投資金調達ミステリー
2025/7/26
となると、容赦なく約束不履行で、即トランプ関税の復活!合意文書を交わしたわけではないので、トランプ政権の言いなりにならざるをえない。石破総理は事実上、日本国の借金になるだけのこの資金調達を具体的に考えたことはあるのでしょうか。国債発行?もう無茶苦茶。
EUなどは、トランプ関税は、相手国のみならず、アメリカ国民にもさらなる物価高騰や商品の枯渇などの不利益をもたらしていることから、支持者からも反発が広がりつつあるので、トランプ大統領は自ら関税政策について方向転換せざるをえなくなるはずだと考えているようです。
世界ではいわばトランプ関税政策の自壊を待つという作戦も考えられている中、石破総理は自らの延命のためだけに、エプスタイン疑惑で、一般有権者の離反に加えて、もっとも強力なトランプ支持者MAGAからさえ、批判が強まっていたトランプ大統領に莫大な献金を表明し、トランプ大統領にも救いの手を差し伸べました。とはいえ、この合意は米国自動車業界からは猛批判を浴びていますが。
25%の関税が実行に移されても、81億円もの献金をせずに、このごく一部の金額を自動車メーカーに補助金として提供すれば、様々な分野のアメリカ産の輸入品で日本国民が苦しまずに、関税ショックを和らげることができたのではないか。
そのうち、トランプ関税は自壊するはず。そうした戦略を一切持たず、自らの延命だけを考えた石破氏の売国策に改めてノーをつけつけるべきです。
参院選では、3度目の留めとなるべきノーが石破自民党に突きつけられたにもかかわらずの居座り。この無責任で売国奴とも言うべき石破氏にに対して、辞任反対の運動がSNSなどで始まっているらしいですが、石破氏を陰で支えている勢力が、ひそかに画策した動きが発端になっているのではないかと推測しています。もちろん、事実を知らずに無邪気に辞任反対を叫んでいる若者たちもいるはずですが、発端は、石破氏を利用したい勢力が火をつけたはず。
対抗馬とみなされている小泉進次郎氏も、政府を利用する旨味を知ったソフトバンクが強力に応援してきているらしいので、代わりは誰かとなると難しいですが、石破氏は、日本人の道徳観をこれ以上破壊しないためにも、日米関税交渉の曖昧さを解消するために、売国的な合意内容を細部にわたって明確化して、日米両政府による正式の合意文書にした後、速やかに辞任すべきです。。
そういえば、日産の内田前社長も、大量のリストラに工場の閉鎖まで余儀なくされるほどの業績悪化を招いたにもかかわらず、巨額の退職金を手にしましたね。現在の日本は政治家も企業経営者も責任の取り方を知らない。こんな人物がトップを務めているかぎり日本の再生は望むべくもありませんね。トップが責任をとらないという昨今流行りの悪習を、石破総理はさらに強化されるのでしょうか。