東京五輪受難の真相

東京五輪受難の真相

2021-06-17

「葦の葉ブログ2nd」より転載

菅総理は、五輪開催反対の声を押し切って五輪開催に突っ走っています。インドのようなコロナの感染大爆発でも起こらないかぎり、おそらくこのまま開催されるでしょう。しかも人数制限をしてでも観客を入れたいというのが本音でしょうが、コロナ任せの状況次第。しかし余りにもおかしすぎませんか。58年ぶりに日本で五輪が開催されるその時に、世界中がかつて経験したことのないようなパンデミックに襲われるとは! 五輪に賛成か否かにかかわらず、この不可解事については冷静に考察する必要があるはずです。

加えて、吉野彰氏のノーベル化学賞受賞当日に、アフガンを支援し続けてきた中村哲氏が銃撃されるという、超衝撃的な事件が勃発。日本中が祝福に湧くはずであったその日、日本のみならず世界中に大きな衝撃が走り、深い悲しみに襲われていますが、この凶事は偶然だとは思われません。

1. 中村哲氏の死と日本の受難

五輪は開催地がどこであれ、世界中から人々が集まり、世界中の目が開催地に集中します。政治、経済、文化、スポーツなどあらゆるジャンルにおける世界的な催事の中で、五輪以上に世界中の目が一気に集中するイベントは他にはありません。東京五輪もまさに世界注視の場となるはずでした。しかしその機会はコロナによって潰されてしまいました。

安倍政権、菅政権の対応のお粗末さが、日本での感染拡大抑止に失敗したという事情はあるにせよ、仮にもしも日本国内で感染拡大阻止に成功していたとしても、世界各地の感染拡大が収まらなければ、五輪開催は不可能です。感染症拡大によるパンデミックは、開催国の努力だけでは対応不能な事態をもたらします。

目下の日本の状況を見ても、五輪開催は正気の沙汰とは思えません。国民の大半が猛反対しているのも当然ですが、ここで少し視点をズームアウトして、日本の対外関連イベントを振り返ってみたいと思います。

まずは記憶も新しい「ラグビーワールドカップ2019」です。日本初、アジア初開催という記念すべき大会となった「ラグビーワールドカップ2019」は、無事開催はできました。しかし途中で超異常豪雨に見舞われ、試合中止を余儀なくされました。悲惨な事態になったわけですが、海外選手の中には、被災地の復旧支援に参加してくれ、災い転じて、思いもかけない形での選手と住民との交流、絆も生まれました。

試合そのものも、日本中を熱い熱い感動で包んでくれました。この感動は日本人だけが感じたものではなく、海外の選手たちにも伝わったのではないかと思います。マスコミではほとんど報じられていませんが、ワールドカップの後、世界のラグビー界の著名な選手たちが何人も日本チームに移籍したという。

ワールドカップで初めて日本を訪れ、日本で試合をした選手の中には、このわずかな期間での体験で日本を好きになり移籍を決めたという。名前は忘れましたが、ラグビーの解説者が話していました。日本では、ラグビーはサッカーほど普及していませんので、有名な選手と言われても門外漢には分かりませんが、世界的に著名な選手が移籍したとは驚きです。それから間もなくコロナ騒動が勃発しましたので、海外の選手の皆さんがどうしておられるかは不明ですが、世界的な催事は、日本を世界に発信するまたとない機会であることは言うまでもありません。

五輪やワールドカップのような世界的な大規模イベントはめったにないとはいえ、これまでも、世界に向けて日本を発信する機会は数多くありました。アメリカ大統領や国務長官などの世界的に著名な政治家の来日、東京国際映画祭のような文化イベント、日本や海外で開催される日本と海外との文化交流の催し、日本人のノーベル賞受賞時の祝賀会など、その注目度は五輪には及ばないものの、日本の対外発信事業には、ほぼ例外なくそれらの催事を妨害したり隠蔽してしまうほどの異変が発生しています。ここ10年ほどの新しい現象です。ちょうど、異常気象が始まった頃とほぼ重なっているように思います。

これらの異変については、これまでも何度も取り上げてきましたのであらためては取り上げませんが、最直近の例として、2019年12月4日、アフガニスタンで発生した中村哲氏殺害事件を取り上げたいと思います。中村哲氏は30数年もの長きにわたって、アフガニスタン支援に献身してこられ、その名も世界中に知られていました。その中村哲氏がイスラム過激派から銃撃されたわけですから、日本はもとより世界中に衝撃が走りました。

中村哲氏の余りにも無私に徹した偉大な業績ゆえに、理不尽なその死を悼む声や動きは日本や世界をくまなく覆うほどでした。当のアフガンでも偉大な恩人の死を悼み、感謝する声が絶えず、中村哲氏に感謝しその業績を称える絵本まで作られました。これまでも、アフガン復興に献身してきた日本人が何人か過激派に殺されましたが、まさか中村哲氏までが標的にされるとは、おそらく誰も考えもしなかったはずです。

しかしそのまさかの事態が発生しました。それだけに日本や世界が受けた衝撃はとてつもなく大きく、この衝撃と喪失から立ち直るまでにはかなりの時間を要しました。

ところで、この大惨劇の発生した2019年のノーベル化学賞は、リチウムイオン電池の発明に寄与したジョン・グッドイナフ氏(米国)とスタンリー・ウィッティンガム氏(英国)とともに、旭化成名誉フェローの吉野彰氏が受賞しています。このノーベル賞と中村哲氏殺害とを関連付けようとするとは余りにも不謹慎ではないかと、激しい怒りを買うかもしれませんが、この殺害事件そのものも余りにも不可解すぎますので、最後までお読みいただきたいと思います。

両者の関連を見るには日付が重要ですので、発表から授賞式までの日程を書き出してみます。
2019年10月9日に受賞発表
吉野氏は12月5日に、ご夫人と一緒にストックホルムに向けて出発、6日に現地着。
12月10日にストックホルムにて授賞式開催

中村哲氏の銃殺の衝撃の余りの大きさに、事件翌日5日の、吉野氏ご夫妻の授賞式に向けた出発はもとより、10日の授賞式の報道も片隅に置かれるような扱いにならざるをえません。日本でも海外でも、自国の受賞者でなければそれほど大きな扱いでは報道されませんが、受賞者の出身国(今回は、日米英)では大きく報道されます。華やかな授賞式ともなれば、報道も華々しくなされるはずですが、中村氏殺害直後のことで、日本では喪に服したような雰囲気に覆われていました。

近年、日本のノーベル賞受賞の授賞式前後には必ず、祝賀気分をぶっ壊すような事件が発生しますので注視していましたが、これほど世界的に衝撃を与える事件が発生するとは全く想像もしていませんでした。とはいえ、その衝撃の大きさは別にして、ある意味想定していた事態が発生したといえますが、なぜこれほど衝撃の大きい事件が吉野氏のノーベル賞受賞に激突したのか。

それはひとえに、受賞対象となったリチウムイオン電池に起因していると思います。現在の日本は、リチウムイオン電池の生産では非常に影が薄い。世界的には韓国が最大シェアを握っていますが、韓国に無料で電池技術を提供したのは、すでに消滅してしまった三洋電機です。しかし何であれ韓国は、日本から支援を受けたことは徹底して隠蔽します。しかもその後の韓国企業の勢いからすると、電池は韓国発祥の技術であり、もともと韓国はリチウムイオン電池生産でも世界の先頭を走っていたとの印象が韓国内外に広がっています。

しかし吉野氏の受賞が華々しく報じられるならば、韓国のこのイメージに傷がつきます。が、中村氏の銃殺によって、吉野氏の露出はかなり抑制されました。とんでもない妄想だ! 結果として吉野氏の露出が抑制されたとしても、それは偶然にすぎない。授賞式に合わせて、中村氏の殺害がなされたとは歪曲も甚だしすぎると批判を受けるかもしれません。

確かに飛躍しすぎかもしれません。しかし驚いたことには、アミールという名の実行犯はTTP(アミールが所属していたパキスタンのイスラム武装勢力「パキスタン・タリバーン運動」)の一員だったそうですが、TTPはアフガニスタンの情報機関と親密な関係にあったという。この驚愕の事実は、「~中村哲さん殺害事件を追う~記事 第5回 二兎を追い、失った証拠と容疑者 当局が隠した「失態」 朝日新聞2021年6月12日」のWEB版に出ていたものです。

わたしは事件発生当時から、アフガニスタン政府は本気で犯人捜しをする気はないと感じていましたが、実行犯が属していた過激派とアフガン政府とが、親密な関係にあったとまでは考えもしませんでした。西日本新聞やNHKをはじめ、マスコミの大半は中村氏の偉業を称える記事は膨大に報じてきましたが、実行犯やその背後事情などについて取材した報道は皆無に近く、いったいどこの誰が殺したのかという、誰もが知りたいと思う事件の真相は不明のまま。おそらく朝日新聞の連載記事「~中村哲さん殺害事件を追う~」は、唯一その例外だろうと思われます。

もちろん朝日の記事が事件の真相に迫ったものなのかどうかは分かりませんが、実行犯が属していたTTPとアフガン政府とが親密な関係にあったことは、誰も知っている周知の事実であったという一点を明らかにしただけでも、朝日の記事は十分に評価されるべきだとうろ思われます。

イスラム過激派に倫理を説くことは全く無意味ですし、他国から援助を受けていながら私腹を肥やすことが最大の関心事だという、現も含めた歴代のアフガン政府に対しても同様です。しかし中村氏は、腐敗まみれのアフガン政府を批判せずそのまま受容し、イスラム過激派に対してすら同情的でした。中村氏は、いわばアフガン(イスラム)の聖と濁とを丸ごとそのまま受容しているように見えました。中村氏のこの思いは、危険地帯にあっても丸腰のままで活動を続けてきたというその姿によって、誰の胸にも伝わっていたはずです。

イスラムの聖人以上の聖人、日本で言えば観音様のような中村氏の思いも、カネさえもらえば何でもするという過激派武装勢力には何の意味ももたず、あえなく殺害されてしまいました。そして殺害された日が、吉野彰氏のノーベル賞受賞式に向かう直前の12月4日であったということです。

この両者を意図的なものとだ結びつけることにはかなり無理があることは重々承知していますが、吉野氏のノーベル賞受賞をめぐる報道が極度に抑制される結果になったことは紛れもない事実です。しかも過去のノーベル賞受賞式でも、報道抑制を余儀なくされるような異変が発生しています。

そしてついに、ノーベル賞受賞以上の大々規模イベント東京五輪がコロナのパンデミックに襲われ、開催中止もやなむなき事態に立ち至っています。わたしは、五輪開催時には、超異常気象に見舞われ、競技中止に追い込まれることになるだろうと予想していましたが、感染症によるパンデミックに襲われるとは全く想像もしていませんでした。

しかし五輪では、仮に異常気象に見舞われても屋内競技は可能ですし、屋外競技の一部は、ドーム球場なども使って屋内に移すことも可能です。またラグビーワールドカップのように、被災地に対する同情の輪が広がり、海外の人たちと被災地の人たちとの絆が生まれる可能性もあり、異常気象に見舞われた五輪として歴史に残る可能性すらあります。

となると、五輪を完全に中止するには戦争の勃発か、疫病の蔓延かということになります。前回2016年のリオデジャネイロオリパラではジカ熱が発生し、参加を見合わせる選手もいましたし、観客にも渡航を控えるように呼び掛けた国もありましたが、オリパラそのものは無事開催され、終了しました。五輪開催国で、開催直前に感染症が発生するとは前代未聞、五輪史上初の異変でしたが、開催国内だけで感染症が発生しても、オリパラは開催されることがリオで証明されました。

となると、オリパラ中止不可避となるには、世界大規模でのパンデミックしかないということになります。開催国のみならず世界中に感染症が蔓延するパンデミック、こちらも五輪史上初の大異変です。しかも世界中を道連れにした超大異変ですが、その超大異変が東京五輪を襲ったわけです。対外発信の機会となる場が次々と異変に見舞われ、その時々で異変の中身こそは違え、日本は異常事態続出国だとの印象を世界に発信する結果になったという、過去の数々の事例と照らし合わせるならば、この東京オリパラを襲った異変、パンデミックも、偶然だと片づけることはできないはずです。

東京オリパラ開催中止へと追い込むためのパンデミックとなれば、新型コロナは自然発生ではなく、誰かの手によって人為的に発生させられたことになります。新型コロナの起源は現在も不明ですが、最近米国内外でもコロナの起源をめぐる議論が活発化しています。バイデン大統領も、コロナの起源についてはあらためて調査する方針を明らかにしました。またG7サミットでもWHOに対して、コロナ起源の解明に向けた再調査を要請しています。

こうしたコロナの起源をめぐる調査が、わたしが提起した疑問に応えてくれるものになるのかどうかどうか。おそらくわたしの疑問にまでは達しないだろうと思われます。そこで以下、わたし独自の推論を立ててみたいと思います。

2. コロナと東京五輪

東京オリパラは、紆余曲折を経ながら、昨年3月24日に1年延期が決まりました。延期決定に至るまでの経緯については以下の記事にまとめられていますが、安倍総理とIOCのバッハ会長との電話会談で延期が決まったことにあらためて注目したいと思います。

“コロナショック” 史上初の1年延期決定までの経緯 NHK 2020年4月20日

まず、延期決定に至るまでの主要な動きを、上記記事から抜き出します

2月26日、安倍総理大臣は政府の対策本部で3月2日から全国すべての小学校・中学校・高校などについて春休みまで臨時休校に入るよう要請
2月27日、IOCのバッハ会長は緊急の電話会見で大会を予定どおり開催することを強調。
2月28日、IPC=国際パラリンピック委員会も、予定通り大会を開催するとの声明を発表。
3月11日、WHO=世界保健機関のテドロス事務局長は会見で、パンデミックとの認識を示す。
3月12日、ギリシャでは東京オリンピックの聖火の採火式が、無観客で実施される。バッハ会長は、この日も大会を予定通り実施すると表明。
3月13日 トランプ大統領が、無観客での開催はありえないと大会を1年延期することを提案。
3月17日、IOCは電話会議の形式で行った臨時理事会で大会を予定通り開催することを確認。
この後、競技団体や選手などからも批判続出。アメリカの有力紙も大会中止を訴える。各国のオリンピック委員会からも批判が相次ぐ。
3月22日、IOCは、大会の延期を含めた検討を組織委などとともに始め、「4週間以内」に結論を出すと発表。
さらに世界各地で批判の声が高まる。
3月24日、安倍総理とバッハ会長が電話会談で延期を決定。

IOCの、人命よりも大会開催が最優先という姿勢が昨年から一貫していることが分かりますが、五輪受難の背後事情探索を最優先しますので、ここでは触れません。

上記の経過には記載されていませんが、安倍総理は、バッハ会長と電話会談で延期を決定する直前に、トランプ大統領と電話で会談しています。トランプ大統領からかかってきた電話だったそうですので、超異例の会談だと見るべきですね。このトランプ大統領との電話会談から間もなく、安倍総理は五輪延期を発表しますので、トランプ大統領はおそらく、安倍総理に五輪延期を進言したのだろうと思われます。

わたしは、3月13日にトランプ大統領が五輪延期に言及したことにも何か違和感を感じていました。というのは、トランプ大統領は自国で急拡大しているコロナ感染に対して、何ら積極的な対策も打たず、事実上感染拡大を放置していましたので、五輪に及ぼすコロナの影響に強い関心を持っていることに不自然さを感じていました。

当時のアメリカでのコロナ感染拡大の様子については、内閣府が公表している「第1章 新型コロナウイルス感染症下の世界経済(第1節)」から以下に引用します。

アメリカでは、1月中旬に初めての感染者が報告された後、しばらくの間は感染者数の増加が緩やかだったものの、3月に入り感染者が拡大し、3月下旬には累積感染者数が中国やイタリアを抜いて世界最多となり、以降11月に至るまで、世界最多の累積感染者数となっている。

トランプ大統領は、コロナ感染や死者が猛拡大しつつある中でも、NYをはじめ各州が実施するロックダウンにも反対していましたし、マスクの着用すら無要だと主張していました。にもかかわらず、なぜ五輪にだけはコロナの影響を心配して延期を提言するのか、非常に不可解でした。当時わたしは当ブログで、トランプ大統領は五輪報道や選手の活躍に関する話題などで、大統領選挙に対する報道やアメリカ国民の関心が薄れることを恐れて、五輪延期を言い出したのではないかとの趣旨の指摘をしましたが、今もこの観測には変わりはありません。

トランプ大統領にとっては、大統領選挙以外には全く関心がなかったことは、敗北が決定した後、まだ一月以上も任期が残っているにもかかわらず、感染拡大に苦しむ国民を放置したまま、ゴルフ三昧の日々を送っていたっことからも明らかです。ほんとうに人間の血が通っているのかとまで疑いたくなるほどの人格の持ち主ですが、そのトランプ大統領が残しコロナに関する唯一の貢献は、ワクチン開発を促進するために製薬企業に莫大な額の税金を投じたことです。

コロナの感染拡大をなるがままに放置して感染者や死者を世界一にまで増大させる一方、製薬企業には莫大な額の支援をするとは、恐怖を呼ぶような露骨すぎる利益供与ですが、その支援がワクチン開発を加速させたのも事実だろうと思います。バイデン政権下でそのワクチンが米国民と世界中で投与され、パンデミックの勢いが収まりつつあるのも事実です。

コロナ感染が自然発生によるものであれば、複雑な思いを抱きながらも、トランプ大統領の貢献も一部とはいえ認めざるをえないとは思いますが、大統領選を五輪に邪魔されたくないというトランプ大統領の強い思いと、米国内でのコロナのパンデミック化を事実上促進したとさえ思えるその政治姿勢とを考え合わせるならば、トランプ大統領がコロナ感染の感染源だとまでは言えないものの、少なくとも、コロナ感染を好機として積極的に利用したことは否定できないと思います。

そして忠実なる「友」安倍総理に電話をかけ、五輪の延期を強く要請し、IOCやJOC任せにせずに総理自らが延期に動くように促したのではないか。この電話の後、総理自らがバッハ会長と交渉して延期を決定したという流れからも、IOC任せでは、無観客にしてでも開催される可能性のあることを、トランプ大統領が恐れていたからではないかと思います。しかし五輪は延期されたものの、コロナの猛威にさらされる中、トランプ大統領は敗退しました。

3. 死者数日本一の大阪府と菅政権

一方、東京五輪は延期から1年以上経ったものの、今なお開催反対の声が圧倒的で、開催を喜べるような状況からはほど遠い状況です。JOCの経理部長が自殺するという異様な事件まで起こっています。開催費用も莫大な額に膨れ上がるらしい。しかも開催しても中止になっても、IOCの懐は痛まない仕組みになっているとのこと。呪われた五輪よ、と言いたくなりますが、予定通り五輪が開催されていたならば、これほどの悲惨さは避けられたことは言うまでもありません。

延期決定から1年後の日本では、吉村知事、猫の目コロナ対策でご紹介しましたように、大坂が感染拡大発祥源となった第4波に襲われました。3月の20日前後から月末ころにかけて、大阪市内各所で高校生や大学生を対象にしたスポーツ大会がいくつも開催され、おまけにコロナ対策に特化した特別展まで開催され、全国から大阪市内に大勢の人々が集まりました。

吉村知事の予定を一週間繰り上げた早すぎる緊急事態制限解除により、これらのイベントは一斉に開催されたわけですが、これが第4波の引き金になったことは、吉村知事、猫の目コロナ対策で詳しく述べた通りです。わたしはこの時の早すぎる解除は大阪府だけかと思っていましたが、実は吉村知事の早すぎる解除要請を受けて、菅政権は大阪府だけではなく、他の都府県も一斉に緊急事態宣言を解除したことが、数日前の西日本新聞のコロナ関連まとめ記事に出ていました。

大阪府の独自基準は国の基準よりも緩い基準だそうですので、菅政権はその大阪基準に従って一斉に解除してしまったとこになりますね。しかも大阪府は橋下府・市政下で実施した行革で、保健所や公立病院の廃止や統合、人員削減などを容赦なく進め、公的医療機関の数は激減。のみならず、現在の吉村・松井府・市政下でも、コロナ渦中の昨年、公的病院の統廃合を進め、公的医療機関は全国平均の半分にまで激減させたという。

当然保健所も激減、大阪市内24区にあった保健所も全廃し、保健所は市内に1か所という異常さ。大阪市を廃止するという大阪都構想は住民投票で2度も否決されましたが、実質的な大阪市廃止策は容赦なく進んでいることがコロナ禍で一気に浮き彫りになりました。しかしこの大阪府の惨状の背後事情については、一般マスコミはほとんど報じていません。

医療崩壊の結果、5月には大阪のコロナ死者数は東京都の2.5倍を記録(大阪府人口=882.3万人 東京都人口=1396万人)、病院で診察を受けられない在宅でのコロナ死者数もダントツの日本一。感染者は減少傾向にはあるものの、死者、重傷者ともダントツの日本一!公的医療機関の大幅削減が招いた、必然の結果です。(参照:参照:大阪、5月のコロナ死者859人 累計2千人超、全国最多 2021.5.31 みんなの静岡新聞)

吉村・維新大阪府政は自ら招いた失政で多数のコロナ死者を出し続けていたわけすが、自前で医療逼迫を解消できず、自衛隊の救援を要請したり、近隣県に救援を要請したりと、あなた頼みの無能ぶりをさらけ続けています。

わたしは大阪府のこの無残な様を、MAG2ニュースで初めて知ったのですが、保存していたはずのその記事が見当たらず、あらためてその記事をWEB検索したのですが、MAG2のサイトを含めどこにも見当たりません。非常に分かりやすレポートで「上下」に分かれており、「上」を読んでいましたので「下」の配信を待っていたのですが、今に至るも「下」の配信もありません。作者名も失念。

やむなく、類似記事を探したところ、一般マスコミでは皆無でしたが、以下の「赤旗」で橋下氏自らがツイッターで、大阪府の医療逼迫は行革の結果であることを認めたことを知りました。
大阪の公立病院・保健所 橋下氏“僕の改革で今、現場が疲弊” 元首長のSNS投稿に批判の嵐 しんぶん赤旗 2020年4月5日

この橋本氏のツイッターを受けて、大阪府松原市市民の方のサイトで、橋下行革による公的病院潰しの一端が紹介されています。市民が見た 聞いた 松原市議会 橋下氏 病院削減を悔やむ

松原市には、行革の結果、保健所も公的医療機関もないという異常事態に置かれているという。何もない自治体には国が支援することになっているそうですが、大阪府の意図的な失政の責任を問わぬまま、国が尻ぬぐいをするとは余りにもおかしいですね。緊急時にはやむをえないとはいえ。

菅政権は、大阪府と東京都のワクチン接種は国直轄で実施しましたが、菅総理は、自らワクチン接種体制を整えることのできない吉村府政救援には、躊躇ありませんね。東京都も直轄にしたのは、大阪府だけを直轄にしたのでは大阪府の能力の乏しさが際立つからでしょう。東京都には以下の記事にあるように、ワクチン接種を自力で実施することは十分可能な医療体制が整えられているからです。

東京の第4波が第3波より落ち着いている理由 2021.6.1 日経BP

しかし大阪府の無責任さを放置したままでは、その悪影響は大阪府外にも及びます。大阪府から人工呼吸措置を含む高度医療の救援要請を受けた和歌山県仁坂知事は、小さい県なので高度医療の機材も人材も非常に乏しく、大阪府の救援に出すと和歌山県での医療体制に即影響するので、救援は無理な状況であったが、大阪府の救援依頼を断ることもできず、やむなく大阪府の依頼を受けることにしたとのことが、以下の記事のどれかに出ていました。

この和歌山県の仁坂知事と吉村知事の間で何かやり取りがあったようですが、一般マスコミは吉村知事応援記事ばかり。自力で頑張っている知事は無視。
接種率1位独走の和歌山、仁坂知事が取ったビシビシ作戦とは 大臣には「ワクチンください」と直談判 2021/6/6 まいどなニュース

NHKのサイトを開いたら、吉村知事の写真入りの動画リンクが貼られていて、公も民も日本のマスコミは吉村応援隊と化しています。

以下の記事によると、維新府市政に都合の悪い報道をすると、超露骨な恫喝を受けるという。その恫喝ぶりを引用します。
「大阪の自宅死が全国最多」でも吉村知事に医療崩壊の責任を追及できない在阪マスコミ! 朝日新聞も吉村の言い分垂れ流すだけ 2021.06.12 LITERA

5月11・12日には、MBSの取材に対し、大阪市の保健師が同市の疫学調査の人手不足や過重労働、経験不足の人間が投入されていることなどを告発。合わせて人員体制図をもとに、疫学調査を担当する常勤職員が42人から31人に減らされたと報道した。ところが、松井一郎・大阪市長は同月12日の新型コロナワクチン接種推進本部会議後の質疑応答でこの問題を質問した記者に対して、指差しながら「それ事実やな? 減ってるっていうのは。MBS」「お前、裏とってきたんやな?」と完全なヤカラ口調で凄んでみせ、翌13日の定例会見でも人員表がそうなっていても実際には応援を投入していると言い張り、「なんでそんな不安をあおるようなことばっかり、MBS、何が面白いの?」「表面的な部分しかとらえず、公共の電波を使って不安をあおっている。これについては会社からの回答を求めます。現場の対応とまったく違うことを君らは放送している」と露骨に恫喝をかけた。

維新政治家の恫喝は、平井デジタル大臣と同根ですね。日本の政治はやくざ紛いの人々に牛耳られつつあることに恐怖を感じますね。特に維新は、オーナーの橋下氏自身が恫喝の名手ですし、大村知事リコールのニセ署名活動という犯罪加担者、市庁舎を自宅代わりに使用する大阪府富田林市市長の超異常者など、法令無私、公私混同者だらけ。

なお朝日も、以下のように大阪府に都合の悪いニュースでも報道しているようなので、以下にご紹介します。
時短協力金支給率、11都府県で大差 福岡99%、大阪最低の64%  朝日新聞社 2021/06/13

吉村知事と維新は、府民を守ろうという意識はゼロですね。福岡県は、今回の緊急事態下では、時短協力金やコロナ禍での生活支援金の緊急支給のお知らせ広告を、新聞の一面カラーで2回、記事下広告も何度かを出していました。この支給率の違いは、本気で住民の命と暮らしを守ろうという意思があるのか否かを如実に表していますね。

吉村知事の大阪府は「時短協力金」支給も大幅遅れでダントツ最下位! 原因は民間業者への丸投げ、維新の民営化が府民の生命奪う 2021.06.13

大阪府政の内情を非常に詳しく報じた新聞:「維新」が壊した大阪の医療 コロナ禍があぶり出した厳しい現実 病院・保健衛生機関の統合民営化

しかし恐怖政治は大阪府だけではありません。大阪府が積極的に進める医療崩壊体制は、安倍政権に続き、菅政権下でもひそかに進められていることが以下の記事に紹介されています。

安倍政権の時も菅政権でも、この問題はチラッと報道されただけで詳しいことは不明でしたが、このコロナ禍の医療崩壊を経験した以上、いくらなんでも病院削減は撤回するだろうと思っていましたが、さにあらず。以下の記事によると現在もなお進行中だとのこと。コロナ禍の最中に公立病院の病床削減を進める政府 毎日新聞 

信じられませんね。安倍・菅両政権で進められている公的医療機関の削減策=日本全土の大阪化。非常に恐ろしい。安倍・菅両政権の皆さんは気が狂っているのではないかとさえ思わざるをえません。しかし狂っているのは日本政府だけではありません。この恐ろしい政策については、NHKも含めた一般マスコミはほとんど報道していませんし、上記毎日新聞の記事から推測すると、明確に反対を表明している政党、政治家は共産党以外にはないのでは?

大阪府は公的病院削減という政府の方針を、先取り的に大々的に容赦なく進めてきたわけですが、コロナ禍でさらけ出された、その結果がもたらした惨状についても一般マスコミはほとんど報じていません。在版マスコミが大阪府から公共事業を受けているからだとも言われていますが、それも主要な理由だとは思うものの、NHKが積極的に吉村宣伝役を務めていることからすると、公共事業だけではないように思われます。

日本政府(主に自民党政権)が国民からどれほど批判を浴びても強行する。日本のマスコミがほとんど報じない。これらの条件に合致する問題は、アメリカ絡み以外にはありえません。野党の大半も沈黙している場合は、アメリカ問題である場合がほとんどだと思います。

とすると、日本政府以上に、公から民への公的部門の民営化を情け容赦なく進め、人命を犠牲にしてでも公的病院を大規模に削減してきた大阪維新の新自由主義的府市政策は、住民が死のうが、重篤な後遺症で苦しもうが、その悲惨な結果は徹底して隠蔽することを可能にする、見えざる力の強力さもそれとしては理解できます。

大阪維新も菅総理も、ともにカジノ(この言葉をど忘れして思い出せず、空白のままにしていましたが、思い出して追記しました)を推進しており、志を同じくする同志であるわけですが、その同志を援護するためか、菅総理は記者会見で、大阪府は医療崩壊下で死者数、重症者数とも、超異常にダントツの日本一を続けていることには全く触れずに、大阪府では感染者数は減少していると、繰り返し繰り返し、5回ぐらい強調していました。感染者数が減少しているにもかかわらず、死者、重症者数ともダントツの日本一であることこそ大問題ではありませんか。

コロナとコウモリ   で「 UMNファーマが開発した国産ワクチン『昆虫細胞とバキュロウイルスを使った遺伝子組み換えワクチン(ウイルス様粒子[VLP]ワクチン)』」が、日本政府によって事実上潰されたことをご紹介しましたが、政府によって潰された日本製ワクチンは他にもありました。東京大学医科学研究所の感染・免疫部門の石井健教授(ワクチン科学分野)が開発を進めていたRNAワクチンも、以下のように、2018年に政府(安倍政権)によって事実上潰されています。

7、8年前からRNAワクチンの共同研究をしていましたが、2018年には政府から臨床試験のための予算をカットされ、今回のパンデミック前には治験まで進めることはできませんでした。ですが、研究自体は細々と続けてきたので、去年3月から日本の医学研究ファンドからサポートを受け、第一三共と東大医科学研究所で新型コロナワクチン開発を進めています。
(Forbs Japan 2021/06/08 「免疫の多様性」に鍵 日本発・新次元ワクチンデザインの可能性)

まだご紹介していない国産ワクチン開発は他にもあります。九大が蚕を使ったVLPワクチンを研究開発していますが、おそらくこちらも休止中ではないかと思います。

また、朝日新聞系の勇気ある次のような記事もあります。
日本発「イベルメクチン」 インドがコロナ治療で感染者数減もWHO「反対」のナゼ 5/26(水) AERA dot.

WHOのみならず、日本政府すら自国発のイベルメクチンの有効性を公的に認めて、積極的な発信、販売促進をしようとはしていません。
インドの首都で「イベルメクチン大規模投与開始」1ヵ月後に感染数が「92%減少」という驚異的な結果。メキシコでも同様の結果に
In Deep 2021年6月4日

WHOはアメリカの製薬企業から多額の寄付金を得ているので、アメリカ企業の言いなりだと堤未果さんが告発していましたが、WHOは中国のみならず米企業の従僕でもあったわけです。日本政府は寄付金は一銭ももらわずに米企業の従僕になっていますので、米企業の妨害行為は絶対にしませんという、反日本的行動を続けているわけです。

大阪府は日本政府以上に、時代遅れの、日本破壊策たる新自由主義政策を積極果敢に進めていますので、日本のマスコミからも菅政権からも守られているわけです。

アメリカは、医療分野でも世界覇権を握ることを目指していますが、そのためには、他国の医療体制の弱体化を図ることは必須事項です。アメリカ企業の脅威となる国で、アメリカの要求を露骨に突きつけることができるのは唯一、日本だけです。幸い日本の歴代政権はいずれも喜んでアメリカの従僕になりますので、すでにその具体例をいくつかご紹介したように、日本においては、パンデミックに対しては全く無防備な状況が着々と整えられてきました。パンデミックに対する武装解除が、日本政府によって意図的に実施されてきたことは、医療政策を過去に辿れば、一目瞭然です。

安倍政権、菅政権ともにまともなコロナ感染拡大対策が採られてこなかったのは、各政権には真の有事に対応する能力が欠けていたことに加え、意図的に感染拡大を誘発し、ワクチン接種人口を増やそうとする意図もあったのではないかとも推測しています。そう考えなければ理解不能な状況が続いてきました。大阪府もまったく同様です。彼らにとっては、国民や住民の命よりも、彼らの政権、力の維持こそが最優先事項だということです。

ワクチン接種が一渉り進んだ後、もうワクチンは必要ないという段階にまでなると、日本初のワクチンもボナックの治療薬も開発が妨害されずに進むのではないかと思います。

日本を襲う異変が韓国にとっても有利に働いているのは、異変首謀者が、韓国人や韓国企業を介しても、濡れ手で粟のボロ儲けを手にしようとしているからではないかと思われます。異変の数々は韓国単独ではとても不可能なものばかりですが、アメリカ企業の手先として動いているとみなすならば、韓国関与も不思議ではありません。

韓国関与は、アメリカ政府直ではなく、アメリカの陰謀集団経由によるものであることは言うまでもありません。そこに北朝鮮もひそかに加えられています。北朝鮮は、国境封鎖をしているとはいえ、なぜパンデミックとは無縁でいられるのか。国境封鎖で、中国とすら貿易が途絶えている中で、北朝鮮はなぜ餓死者も出ずに存続しうるのか。これらの謎は、韓国関与と密接に絡んでいるはずです。

福岡県・朝倉三連水車
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